「蒲田行進曲」
日本/'82年製作/深作欣二監督
東宝京都撮影所を舞台にキネマにすべてをかける男たちの熱いドラマ。つかこうへいの同名直木賞受賞作の映画化です。
筋は原作舞台と変わらず。やっぱりホンがいいんだ。しかしただ舞台を映画化するんじゃなく「映画」という枠を最大限駆使して、これでもか!舞台に負けてたまるか!な作品に仕上がっています。やはり見所はヤスの階段落ち。舞台では観客のイマジネーションに任されていた部分が、具象で華々しく表せるのが映画の醍醐味ですね。映画では「造り物」を強調すべく普通の3倍の高さの階段を用意。映画の持つ"リアリティ"と"嘘"とが絶妙に絡み合った、この作品を象徴するセットでありました。
松坂慶子のスターオーラがやばい。当時大抜擢に近い風間杜夫と平田満の本当に命かけてるかのような熱演にも圧倒されます。