ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「たいこどんどん」

日本/'11年公演/Bunkamura(井上ひさし作、蜷川幸雄演出)


能天気な江戸の若旦那と太鼓持ちがひょんなきっかけからツキに見放されての大珍道中。井上ひさしの戯曲を蜷川が演出するBunkamura製作のシリーズの一作です。
これでもかの怒涛の展開に言葉遊びの洪水という井上節満載だけでもお腹いっぱいなのに、そこにど派手な演出で魅せる蜷川節も炸裂の、大盛り特盛りついでにおかわりなお芝居でした。強制労働はさせられるは山賊に捕まるは乞食に身を落とすはで踏んだり蹴ったり、絶望までも経験するのにとにかく生きてりゃなんとかなるさと立ち直るバカ2人が晴れ晴れしい。1幕でもう満腹なので2幕はしんどいけどそれは嬉しい悲鳴です。
中村橋之助古田新太のコンビがこんなに良いなんて。どちらかというと役のおいしさで古田が勝ったかしら。