ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「天保十二年のシェイクスピア」


日本/公演中/ピッコロ劇団(井上ひさし作、松本祐子演出)


シェイクスピア全作品をこれでもかと織り交ぜた大作任侠音楽劇。以前に蜷川演出版('05)を映像で観ています。ピッコロ劇団は2度目。
ケレン味は蜷川に比べて物足りない(当たり前か)ながらまあまあ。多人数場面の稽古の詰めの甘さが垣間見えたものの、期待以上に歌声は迫力があるし初期井上脚本の猥雑さも出てたし満足のいく舞台でした。場転が溶暗でスピーディなのがテンポを崩してなくて良かったです。売りの生演奏は客席の位置もあるでしょうが、集音マイクを通した音しか届かずそこまででした。蜷川版のOPナンバーが好きだったのですが今回は無く、あれは蜷川オリジナルだったのかしら。
役者はマチマチ。三世次と隊長がピッコロ劇団員だったことに驚き、橘義に孫高宏、覚えておこう。ただこの作品は個々の「見せ場」が特別はっきりした芝居なので、やはりスターを揃えてで観たいというのはあります。