ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「富士見町アパートメント「ポン助先生」」

日本/'10年公演/自転車キンクリートSTORE(マキノノゾミ作、鈴木裕美演出)


大御所漫画家の逆ゴーストライターになった青年の苦悩を描く。先日の「リバウンド」(鄭義信)に次いで「富士見町アパートメント」、マキノノゾミによる作品です。
田舎から出てきた若人、自分勝手な漫画家、支える編集者。だれもが愛すべき人間に描かれていて気持ちいい。"才能"というシビアな題材をあまりシビアに扱わず、「あるよね」レベルでここまで面白く見せるマキノノゾミの剛腕さと確かな筆力にうならざるをえませんでした。まあケラケラ笑わせてもらいましたが。サラッと良い短編でした。
山路和弘の確信犯ぷりは最高。刀持ってるときや涙拭くしぐさは格別です。