ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

アニメ「サマーウォーズ」

サマーウォーズ [Blu-ray]
日本/'09年製作/細田守監督


仮想現実に突如現れたAIに立ち向かう一人の少年と大家族の奮闘を描く。アニメ映画『時をかける少女』で一躍有名となった細田守監督の最新作で、キネ旬ベストテン第8位など多数の賞に輝いた秀作です。
近未来設定なのに、どこか懐かしく。『時かけ』でしっかり描かれていた細田的「みずみずしさ」が今作でも存分に発揮されています。数学オリンピックを逃した頭はいいけどまあ普通の高校生が世界の危機を救うべく敵と闘う、といういかにもアニメ的な内容なのに何故ここまで評価が高いのか不思議ではあります。けれど登場人物が多い割に大家族の書き分けがかなりされているので苦痛ではないのと、脚本のうまさに引っ張られている感じはします。
リアルの追求やジブリみたいな国民的映画のレッテルを貼られた作品ではなく、いわゆる「アニメらしいアニメ」でここまでの評価を得られたというのは賞賛に値すると思います。ただ仮想現実にもう少しリアリティが欲しいのは欲張りかしらん。