ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「どんとゆけ」

日本/'08年公演/渡辺源四郎商店(畑澤聖悟作・演出)


被害者の遺族らが望めば直接手を下せる死刑制度になったパラレルワールドの日本を舞台に、死刑囚や遺族らの心の葛藤を描く。高校演劇界のカリスマ教師畑澤聖悟主宰の劇団「渡辺源四郎商店」による公演です。高校演劇以外の畑澤作品は初見。
重いテーマをユーモアを交えて描く筆力。あのシチュエーションで観客が笑えるように、それでいて観ていて不謹慎さを一切感じさせないように作るには相当な覚悟と自信と実力がないと無理でしょう。以前畑澤聖悟って何者なのか調べたのですが、青森初の有名劇団「弘前劇場」の2枚看板作家だったそうですね。彼に指導してもらえる高校生がうらやましい。
虚構設定がシリアスでリアリティ部分がユーモラスというのが面白い。規則に従う公務員のおっちゃんは儲け役ですよね。考えさせられるのに説教臭くないところがよかったです。