ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「恋愛戯曲」


日本/公演中/神戸大学自由劇場(鴻上尚史作、宇治橋サキ演出)


売れっ子恋愛脚本家のもとへ台本の催促にやってきたTV局員に要求されたただ一つのお願い、現実と虚構の狭間に浮かぶ真の恋愛を探す物語。ネタバレ注意です。
「私と恋に落ちてちょうだい」。なんて刺激的な冒頭。内容は別段どうでもいいし、強盗2人の描写は陳腐、群唱もないし、暗転だらけにせざるをえない構成ももうどうでもいいです。この芝居の全ては鴻上の紡ぎ出す言葉の美しさです。中でも「12秒に1回、僕はあなたのことを考えているのです」という台詞は特筆。"恋愛戯曲"というよりかは"恋愛詩集"にでもしたいくらい。
舞台は細部に目をひきます。主演の福田ゆりこの声に表情を感じられて◎。ダンスがあまり映えていなかったのが残念でした。