ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ショーシャンクの空に」

ショーシャンクの空に [DVD]
米/'94年製作/フランク・ダラボン監督


劣悪な環境の刑務所に無実の罪で服すことになったエリート銀行員の数十年を描く。スティーヴン・キングの原作を映画化した感動作です。
壁の中で服役者たちは"希望"を見失っていく中、ひとり自分の信念に従い行動する男。その姿も素晴らしいが、それよりも彼の周りの人間の描写が非常に優れています。彼によって"希望"を取り戻していく相棒のモーガン・フリーマンをはじめ、塀の外で希望を見出せなかった図書係、自分の利益のために動く所長、不運にもそれに巻き込まれた若者。全ての挿話が印象的であり、しかも物語の筋を破綻させず逆に膨らませているその構成に脱帽。
死刑廃絶の動きの中でよく聞く「終身刑も残酷」という意味がやっとわかりました。映画中盤、刑務所に響き渡る「フィガロの結婚」のシーンは特筆。