ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録」

シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録 [DVD]
日本/'07年製作/大島新監督


日本を代表する劇作家でアングラ演劇の重鎮・唐十郎とその劇団「唐組」が公演を打つ期間に密着したドキュメンタリー映画日本映画批評家大賞ドキュメンタリー作品賞受賞作です。
45年間を芝居に費やし、70近いその歳でなお戯曲を書き出演もする唐十郎。そして彼についていく息子や孫の歳の劇団員たち。ナレーションは入れず彼らの姿だけをひたすら追うことでその思いを描き出す。
一昔前のホームドラマを見てるような。家長の唐がおり、家族がひとつの机を囲む。喧嘩もするし家長の癇癪玉が破裂することもあるが、すぐに酒の席で仲直りする。そこにあるのは本音の付き合い。だから役者という不安定な仕事に不安を抱く者も簡単には踏ん切りがつかないのでしょう。「私は役者じゃなく"劇団員"になりたかった」という団員の言葉に唐組のすべてがある。