「グッバイ、レーニン!」
独/'03年製作/ヴォルフガング・ベッカー監督
心筋梗塞で危険な状態にある社会主義者の母のため、東西ドイツ統一を隠し続ける子供の物語。
親子の愛を描きつつ、社会主義と資本主義の狭間で「壁」という物理的な象徴まで創りあげたドイツという国を描き出しています。主義主張に翻弄された国をこの映画は皮肉りながらもそれでいて暖かなまなざしで見ているような。そして理想の社会は想像の中にしかないこと。それより何より愛情が勝るというメッセージを受け取ったつもりです。
そしてそして、どのシーンもスタイリッシュでかっこいい。ストーリーもさることながら特にその映像にしびれました。途中からため息しかでないという。レーニン像と母親が遭遇するシーンは少々あざとい気もしましたが、印象的ではある。なんにせよ堪能しました。ヴォルフガング・ベッカー、覚えとこう。