ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ゴドーを待ちながら」

日本/'04年公演(再演)/サミュエル・ベケット作、串田和美演出


2人の男がゴドーという男を待っている。いつまでたってもゴドーは現れない。それでも2人は待ち続ける。
ただそれだけの戯曲なのに2時間飽きずにみれたのは、戯曲の力というよりも、いえ勿論戯曲の力もあるでしょうが、それよりもきっと役者の力だったのではないでしょうか。演出も手がけた串田和美と先日惜しくもこの世を去った名優緒形拳。この2人の共演、いや競演は間が絶妙でかつ細かいしぐさにまで味がありTVカメラの切り替えなく是非劇場で、間近で観たかったと思います。彼らだけでなく暇つぶしの相手、朝比奈尚行と小松和重も良い。特に小松の壮絶なスピードの長ゼリは圧巻。舞台の形や照明も面白かったです。
この作品を下敷きにした鴻上尚史の『朝日のような夕日をつれて』が大好きな自分としては、引用の元ネタを知ることが出来て大満足。もう一度『朝日〜』を観返したらまた違った目線で観られるのと思うと楽しみでなりません。