ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ザ・マジックアワー」

ザ・マジックアワー スタンダード・エディション [DVD]
日本/公開中/三谷幸喜監督


ギャングのボスの愛人に手を出した男が自分の命を救うために打った、売れない俳優を「伝説の殺し屋」に仕立て上げての一世一代の大博打。前作の興行成績が絶好調だった待望の三谷幸喜監督最新作です。
脚本はやっぱり上手い。物語を妻夫木スジと佐藤浩市スジの2点に絞ったことで前作より集中して観れたかも。ただ三谷には珍しく場転多用で、しかも無駄な場転が多かったのが微妙でした。ブツ切り状態で気持ちが乗っていきづらかったです。役者はまたもや三谷組総出演。巧い人ばっかりなのですが、ワキまで有名人を使っていて視点がぶれてしょうがない。
そして過剰なまでの宣伝について。自分としては楽しいからいいのですが、ひとつだけ文句を。今回撮影した街がセットだということを事前に強調しすぎでしょう。確かにあれだけの出来ならば言いふらしたくなるのもわかります。ただそのせいで、映画を観ていてもあの街がもうセットにしかみえない。よって映画全体が嘘っぽくなってしまっていました。残念です。
それでも確かに面白い。声だして笑えますし、絶対楽しませてくれると安心して観れます。台詞回しは絶妙で、俳優陣は◎。そりゃあね。DVDやTVで観るのが丁度いいかも。