ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「柳川堀割物語」

柳川堀割物語 [DVD]
日本/'87年製作/高畑勲監督


福岡県柳川市を縦横無尽に流れる堀を舞台に、水(自然)と人との共存とは何かを問いかける文化映画。STUDIO GHIBLIの宮崎駿高畑勲がタッグを組んだ実写映画です。
文化映画*1を観るのは初めての経験でしたが、何といっても「長い・疲れる・眠い」の三拍子。いえ、部分部分はとても興味深く面白いのですが、なにぶん一気に観るものではないですね。
製作は「ジブリ」ではなく宮崎駿個人の事務所「二馬力」が担当しているのですが、テーマをときに鋭く、ときに深い愛情のこもった視点で描き取られた映像に、どことなくジブリらしさも感じられます。ジブリの才能は実写映画でも発揮されるのです。監督の高畑勲は「達人のパンチは速すぎて見えない」とたまに言われますが、彼はアニメの枠に収まる人ではないことを確信しました。いっそ文化映画監督に転身なされたら…?余計なお世話ですね。

*1:この年の「キネ旬文化映画ベストテン」において一位は確実と言われたものの、何故か賞選考の該当作品から外れたらしく、この作品はイマイチ日の目を見ないモノとなってしまいました。何故外れたのでしょうか?選考委員の弁でも悔しそうなコメントが多数載っています。