ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ゼンダ城の虜 苔むす僕らが嬰児の夜」

日本/'92年公演(再々演)/夢の遊眠社(野田秀樹作・演出)


野田秀樹率いる劇団「夢の遊眠社」の解散公演。海外の小説で度々映画化もされている「ゼンダ城の虜」とはどうやら関係はなさそうです(未読未見なので何とも言えませんが)。
例によって粗筋は書けず。野田作品ではどれにも舞台上に広がる世界というものがあって、『野獣降臨』では"宇宙"が、『キル』では"草原"が、限定された空間に無限のごとく続いていました。そして、今作では"向こう側に森の見える長く高い壁"が。
言葉遊びやら象徴的なワードやらが飛び交い、知的興奮すら覚える作品。作・演出の野田秀樹自身が主要なキャラを演じてかなり前面に出てきており、あの限界の見えないぶっ飛んだ演技に圧倒されっぱなしでした(笑)上杉祥三は出てなかったのですが、今でもバリバリ活躍している役者が多数おり、実力のある贅沢な劇団だったんだな、と改めて実感。