ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「朝日のような夕日をつれて'87」

日本/'87年公演(3度目の再演)/第三舞台(鴻上尚史作・演出)


第三舞台の代表作の3度目の再演です。粗筋紹介は06/12/30『朝日のような夕日をつれて'91』の日記でどうぞ(→id:totte:20061230)。『〜'91』とキャストはほぼ同じですが、少年役が現在放送作家として活躍している伊藤正宏となっています。勝村政信はこれが初舞台。
『朝日〜』において大事なキーワードとなるのは"進化"。再演ごとに変わるその"進化"の象徴を「ビデオゲーム」として捉えた今作、ですがあまり上手く活かせてなかったような印象。20年前の最先端なので、内容が古くなりすぎたのでしょうか。ワープロ通信なんて今では見ることもないのですから。ただ発売前だった「ドラクエ3」のヒットやオンライン・ゲームの発展など、鴻上の先を読み取る才能はさすが。ただコンピュータの台頭は予想できなかったようで。だって『〜'91』でも無理でしたし、ね。
放映番組の前説で高泉淳子*1が「鴻上の音楽はダサい」と言ってたけれど、確かに。『〜'91』は洗練されてた気がしたんだけどなぁ。「ザ・ライフ」てネーミング・センスも微妙。テンポや間の取り方もまだ甘い感じでした。大高洋夫筧利夫は若い!のに小須田康人も勝村も今とちっとも変わってないのが面白い。筧はあまり声が通ってなかった、演出だろうけどマイク使ってた場面もあったし。
『〜'87』『〜'91』『〜'97』と観てみて、個人的には『〜'91』がベストだ、という結論に達した鑑賞でした。

*1:まさか早稲田の同期だとは思ってなかった。重なってたんだ。てか、鴻上って学生のころからああだったんですね(笑