ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ドクトル・ジバゴ」

ドクトル・ジバゴ 特別版 [DVD]
米・伊/'65年製作/デヴィッド・リーン監督


帝政ロシアの医師ジバゴが、ロシア革命に翻弄されながらも己の信念を貫き懸命に生きる姿を描く。ノーベル文学賞受賞作を巨匠デヴィッド・リーンが映画化した3時間を越える大作です。その年のアカデミー賞5部門に輝きました。
みんな「信念の人」に弱いですよね。個が無視される社会主義において、個人の持つ感情の代表とも言える"愛"を語る詩を書くことで自己を主張し続けたジバゴ。政治には興味がなく、不倫の恋に陥りながらもただ愛に生きた彼の姿に胸を打たれます。たまには文芸大作もいいなあ、と思える良い映画でした。
当事国ロシアは製作に関与してないらしく、社会主義(革命)に否定的な雰囲気のどことなく漂う映画でした。歴史的背景をよく知らないためか、出てくる組織名から敵味方を判別しづらかったです。労働者×ブルジョアという構図はわかるのですが、ボルシェビキパルチザン・白衛軍・赤軍ともなると、もう何がなにやら。