ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

竜とそばかすの姫

日本/’21年製作/細田守監督 母親を事故で亡くし引っ込み思案になった高校生が、仮想空間で暴れる竜と出会い、本来の自分を見つけ出していく。 ヒロインの名前がベルであることからしてもそのまま細田版「美女と野獣」として鑑賞。アバターを通してしか自…

しだれ咲き サマーストーム

日本/’19年公演/あやめ十八番(堀越涼作・演出) 花の吉原を舞台に男女が織りなす惚れたはれたのだまし合いにわか芝居。花組芝居出身の堀越率いる「あやめ十八番」初鑑賞です。 古典落語と現代劇のジャンルも今昔も入り乱れたド派手な狂言もの。一癖も二…

貧乏物語

日本/’22年公演(再演)/こまつ座(井上ひさし作、栗山民也演出) 戦前の日本で経済学者・河上肇の留守を預かる女たちを通じて思想とは何かを描く。 井上戯曲にしてはライトなパッケージでありながらも内容は濃く深く。日本共産党員となり特高に目を付け…

ポプラの秋

日本/’15年製作/大森研一監督 母子家庭の少女と大家さんとの小さな秘密の物語。 これまで全人類が「死」を経験してきたのに、それがもたらす喪失感を埋める最適解は発明されていない。大家のおばあさんが死者への手紙を運んでくれると信じる少女を微笑ま…

アパッチ砦の攻防

日本/’11年公演(6演)/劇団東京ヴォートヴィルショー(三谷幸喜作、永井寛孝演出) マンションの一室に引っ越してきた男と、前に住んでいた男が巻き起こす家族にまつわるドタバタ劇。 勘違いが勘違いをよぶ脚本の妙が光る一方、スラップスティックの感…

地球の静止する日

米/’51年製作/ロバート・ワイズ監督 地球に飛来した宇宙人が世界に対して発したメッセージ。 冷戦下の社会へのアンチテーゼ。愚かな地球人同士の軍拡競争に対し、優れた科学力をもつ統治者としての宇宙人が物申しにやってくるという筋書きは手塚治虫「W3…

花とアリス殺人事件

日本/’15年製作/岩井俊二監督 転校してきた少女と引きこもりの同級生が校内で噂される事件を追う。同監督による『花とアリス』の前日譚として製作されたアニメーション作品です。 リリカルさに定評のある岩井節はアニメでも発揮され。オトナとコドモが不…

cocoon

日本/上演中(再々演)/マームとジプシー(藤田貴大作・演出) 太平洋戦争下での沖縄・ひめゆり学徒隊をモチーフに戦争に巻き込まれていく少女たちの姿を描く。京マチ子の同名漫画を舞台化した作品です。 京マチ子の独特な雰囲気を見事に3D化し、少女とリ…

監視カメラが忘れたアリア

日本/’07年公演/虚構の劇団(鴻上尚史作・演出) あらすじは第4回公演版を鑑賞した過去の日記へ(→id:totte:20220716)。今回は旗揚げ準備公演として中野ザ・ポケットで初演されたバージョンです。 警察の監視カメラシステムと聞くと『踊る大捜査線 THE…

映画 ビリギャル

日本/’15年製作/土井裕泰監督 学年最下位のギャルが志望大学に合格するために塾講師や家族らの応援を受けながら努力して勉強する。実話をもとにしたベストセラー小説の映画化です。 まったく期待せずに観たのですが、いやいやどうして、笑って泣けて楽し…

天使は瞳を閉じて

日本/’11年公演/虚構の劇団(鴻上尚史作・演出) 放射能に汚染された世界から隔離されたまちを舞台に天使が見守る人々を描く。鴻上が第三舞台時代の戯曲を虚構の劇団としてはじめて上演したものです。 初演から30年以上経つ今もなお人気のある戯曲で、…

アンダー・ザ・ロウズ

日本/’11年公演/虚構の劇団(鴻上尚史作・演出) トラウマに復讐しようとする地下組織のリーダーの身代わりとしてパラレルワールドに連れてこられた男の物語。 暴力に対する暴力を推奨する集団はカルト性をはらみ、受けた被害は加害としてブーメランのよ…

エゴ・サーチ

日本/’10年公演/虚構の劇団(鴻上尚史作・演出) 筆の進まない作家が自分をかたるブログを見つけたことで失われた記憶が呼び覚まされる。 いまや「エゴサ」は一般用語に近い認知度となっているけれど上演当時はまだそれほどでもなかった気がします。鴻上…

監視カメラが忘れたアリア

日本/’10年公演(再演)/虚構の劇団(鴻上尚史作・演出) 防犯を目的とした監視カメラに見守られる日本で生きる若者たちの秘密を描く。旗揚げ作品『グローブ・ジャングル』、第2作『リアリティ・ショウ』に続く3部作だとか。旗揚げ準備公演としても上演…

リアリティ・ショウ

日本/’08年公演/虚構の劇団(鴻上尚史作・演出) ネット企画で24時間生活と稽古を配信される若手劇団の1か月を描く。 演劇と恋愛とカルト宗教という今作の3題噺は、すべてがリアルでありフィクションでもあるもの。つまり、そのまま「リアリティ・ショ…

グローブ・ジャングル

日本/’08年公演/虚構の劇団(鴻上尚史作・演出) 人間関係に悩む人々が偶然集まった異国の街で子供向けの演劇をはじめる。鴻上尚史が若手と立ち上げた新劇団の旗揚げ作品です、初見。 鴻上本人の作品だと言われなければ、きっと鴻上テイストにかぶれた学…

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書

米/’17年製作/スティーヴン・スピルバーグ監督 ベトナム戦争にまつわる国の極秘の調査文書をめぐり、報道の自由と安定運営に揺れる新聞社経営者の姿を描く。 国家への反逆とは何か、国とは、国民主権とは。そして、報道とは、マスコミの使命とは。この2…

里見八犬伝

日本/’83年製作/深作欣二監督 古の呪いにより城を追われた姫が、宝玉に導かれし八剣士とともに敵をとる。滝沢馬琴「南総里見八犬伝」をベースとした鎌田敏夫の小説の映画化です。 ファンタジー+アクション+アイドルで、角川映画らしい大味の謎映画とな…

翔んだカップル オリジナル版

日本/’80年製作/相米慎二監督 手違いで同居することになった高校生の男女が惹かれ合い擦れ違う。柳沢きみおの同名漫画の映画化です。 相米監督デビュー作は漫画原作のアイドル映画で青春ものだったのですね。精神年齢の違いがこれでもかと見せつけられ、…

カクテル

米/’88年製作/ロジャー・ドナルドソン監督 成功を夢見る青年がバーテンダーを足掛かりに金と愛と友情に生きる。 アメリカンドリームに酔いしれる甘酸っぱい青春ドラマ。イケメンがご機嫌な音楽に乗りながら、美女の手ほどきを受けて快楽と絶望を繰り返し…

アラベスク

米/’66年製作/スタンリー・ドーネン監督 謎の古代文字の暗号をめぐり国家的陰謀に巻き込まれる学者と美女。 ホンも演出も撮影も時代を感じてしまうし、いつまでやるのと思ってしまう展開ながら、主人公が霞んでしまうほどの八面六臂の活躍なソフィア・ロ…

戦国BASARA

日本/’09年公演/舞台「戦国BASARA」製作委員会(西田大輔作・演出) 歴史ブームの立役者のひとつであるカプコンの同名アクションゲームの舞台化です。 6本の方を持って「レッツ、パーティー」と叫ぶ、という程度の予備知識しかなく観たからかさっぱり入…

燃えよデブゴン

香港/’80年製作/サモ・ハン・キンポー監督 ブルース・リーに憧れる冴えない男が持ち前のカンフーで正義を貫く。 酷い邦題だと前から思っていたけれどまさかのほぼ原題どおりだったので、実は名訳なのかもしれません。トロそうなのに達人芸というギャップ…

ホット・ロック

米/’71年製作/ピーター・イェーツ監督 出所したばかりの大泥棒が困難な仕事を任される。 何がどうというわけではないけどイマイチでした。あれよあれよの展開のはずが、緊張感に欠けるのかどうもハラハラドキドキさせてくれない。最もいただけないのは、…

スーパーマン

米/’78年製作/リチャード・ドナー監督 天変地異で滅亡を迎えた惑星からひとり避難してきた赤ん坊が、超人的な能力を駆使して世界の平和を守る。マーベルコミックの代表格です。 当たり前の存在になり過ぎていて元作品を観ていなかったことにすら気づいて…

ポリスアカデミー

米/’84年製作/ヒュー・ウィルソン監督 警察学校の入学資格を撤廃したことから集まった問題児たちによるドタバタコメディ。観るのは2度目。 内容がなくカラッと笑って終わる目指すべき能天気コメディなので、かつて観たことすら忘れてしまっていました。…

グレートウォール

中国・米/’16年製作/チャン・イーモウ監督 万里の長城に火薬を求めて流れ着いた異国人が怪物と戦う。 予備知識なく観始めたら圧倒的なスケール感で描くまさかのエイリアンもの。想定外すぎて気持ちのシフトに少し時間がかかりましたが、エンターテインメ…

シン・ウルトラマン

日本/’21年製作/樋口真嗣監督 災害級の生物が来襲する日本で、人類のために戦う巨大生物の心情を描く。『シン・ゴジラ』を驚異的ヒットに導いた庵野秀明の企画・脚本・総監修により、盟友・樋口がメガホンをとった話題作です。 びっくりするほどリアリテ…

〇 maru

日本/’06年上演/Kentaro Kobayashi Solo Performance Live Potsunen(小林賢太郎作・演出) 感想、後ほど。。。

ブラック・レイン

米/’89年製作/リドリー・スコット監督 ヤクザの抗争に巻き込まれたNY市警が日本の警察組織に阻まれながら捜査にあたる。 松田優作の遺作として記録に残ることになったが作品としてはそれほどでもなく。バブル期真っ只中であり一方で戦争の後遺症がまだ残…