ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

演劇

獅子王 SHI-SHI-O

米/’16年公演/松竹(作 戸部和久) 人間界に降り立った獅子の子の成長の物語。アメリカ・ラスベガスのエンターテインメントの殿堂で行われた初の歌舞伎劇場公演です。 宙乗りや早替え、本水など歌舞伎のケレンたっぷりに、現代のデジタルアートも取り入…

熱帯樹

日本/’19年公演/世田谷パブリックシアター(三島由紀夫作、小川絵梨子演出) 裕福な家庭に渦巻く闇を描く。 4人の親子と1人の伯母の5人芝居による歪んだ愛憎劇はまるでギリシャ悲劇さながら。家族4人のそれぞれの思いは狂気的でいて、普遍的でもある…

ツアー

日本/公演終了(再演)/ままごと(柴幸男作・演出) 音楽フェスへ向かう旅の途中に偶然同行することになった外国人との奇妙なロードムービー。 スーツケースを車に見立て、またがって舞台上をゴロゴロと動き回る2人を、それなりの時間にわたり、観ている…

タワー

日本/公演終了/ままごと(柴幸男作・演出) 天からの指示のもとで雑多なものを積み上げていく人々。劇団「ままごと」の新作です。 ストーリーがあるのかないのか、即興性があるのかないのか、よくわからない作品で、こういう場合は哲学するしかない。何か…

グローリアス!

日本/’17年公演/シーエイティプロデュース(ピーター・キルター作、鈴木勝秀演出) 壮絶なオンチに翻弄される若手ピアニストと歌姫の交流を描く。 荒唐無稽ながら実話をもとにした作品だとか。歌いたいという欲求を実現し続けた歌姫、ただその魅力が伝わ…

喝采

日本/’17年公演/加藤健一事務所(クリフォード・オデッツ作、松本祐子演出) 酒におぼれたかつての名優を再起させたい演出家と、役者の妻の攻防。 2幕の急展開についていけるか不安になりましたが何とか喰らいつきました。創造活動するにあたっての焦り…

マッチ売りの少女

日本/公演中(マチネ)/劇団不労社(別役実作、西田悠哉演出) 大晦日の夜、平凡な夫婦の夜のお茶会にストレンジャーが現れる不条理劇。別役の代表作のひとつを大阪の劇団が京都で上演したものです。 以前に映像で観た作品より小劇場風味で、それが効果的だっ…

通し狂言 南総里見八犬伝

日本/’15年公演/国立劇場(曲亭馬琴作、尾上菊五郎監修) 主君の無念を晴らすことを運命づけられた8人の男たちの物語。新春歌舞伎です。 姓に犬の字が与えられ、牡丹のあざがあり、八つの文字が浮かぶ水晶の玉をもつバラバラの者たちがひとつの本懐を遂…

魔界転生

日本/'18年公演/日本テレビ・明治座(マキノノゾミ作、堤幸彦演出) 欲望のまま超人的な魔物に転生した人間と戦う柳生十兵衛の活躍を描く。日本テレビ開局65年記念として山田風太郎の同名小説を舞台化した作品です。 山田作品に醍醐味なエロ・グロ・バ…

サカシマ

日本/公演終了/廃墟文藝部(斜田章大作・演出) 最期を目撃した怪しげな男の元で働きながら、飛び降り自殺した姉の真意を探る少女の5秒間を描く。 ハンプティダンプティ、落ちた卵は戻らない。悩み事相談室に電話をしながら飛び降りた女。100メートルのビ…

3CASTS vol.14

日本/公演終了/オムニバス形式 3人/組によるパフォーマンスを上演する京都のショーケースイベント。今回は、石川信子、牛嶋千佳、アミジロウの3者によるものを観劇。 一本目は石川『時間がない人のための卍-光子の不在-』。谷崎潤一郎の四つ巴な色恋…

芸術家入門の件

日本/公演中/ブルドッキングヘッドロック 感想、後ほど。。。

1001

日本/公演中(ソワレ)/少年王者舘 感想、後ほど。。。

殿は殿

日本/公演中(再演/マチネ)/ポップンマッシュルームチキン野郎 感想、後ほど。。。

野性の恋

日本/公演初日/悪い芝居 感想、後ほど。。。

熱狂

日本/’17年公演(再々演)/劇団チョコレートケーキ(古川健作、日澤雄介演出) ナチスが台頭した30年代前後のドイツにおいて、いかに大衆の支持を固めていったかを描く。 全世界が知ることとなる暴走までの軌跡。そこにあるのは使命感と謀議謀略と、大…

自己紹介読本

日本/’18年公演(再演)/城山羊の会(山内ケンジ作・演出) とある広場に集まった人々の群像劇。 これだけシリアスなのに笑いが起き続けるというのは、凄い。ちょっとした仕草やズレを観察し絶妙に戯曲化されていることで、自分のコントロール外で笑いが…

GS近松商店

日本/’15年公演(再演)/新歌舞伎座公演(鄭義信作・演出) 田舎町で暮らす人々を取り巻く哀しき金と恋の物語。初演はテント芝居な、近松門左衛門の「曾根崎心中」と「女殺油地獄」をベースにした作品です。 故郷は息の詰まる場所であり、抜け出すには死…

セールスマンの死

日本/'18年公演/KAAT神奈川芸術劇場(アーサー・ミラー作、長塚圭史演出) 家族を持ち、セールスマンとして生きた男の希望と絶望を描く。アメリカの劇作家ミラーの代表作です。 手に職があるわけでない根無し草だからこそ、何か自分がそこに生きたという…

あの記憶の記録

日本/’17年公演(再々演)/劇団チョコレートケーキ(古川健作、日澤雄介演出) イスラエルに住む家族が、語られなかったアウシュビッツの記憶をこじあける。様々な賞に輝く劇団、初鑑賞です。 ホロコーストを題材にした人間ドラマは、海外戯曲かと誤認す…

ふるあめりかに袖はぬらさじ

日本/’12年公演(多演)/松竹(有吉佐和子作、齋藤雅文演出) 幕末の横浜の遊郭を舞台に、攘夷女郎にまつりたてられた花魁の傍で生きた芸者の半生を描く。文学座で初演された作品を坂東玉三郎主演で上演したものです。 心が、生き方が、国が、真実と嘘の…

「鷗外の怪談」

日本/'14年公演/二兎社(永井愛作・演出) 大逆事件を通じて政府要職者と作家の狭間に悩む森鷗外の葛藤を描く。芸術選奨受賞作です。 軍人のトップに上り詰め、政府を背負う立場となった鷗外は、共産主義を容認することができない。けれども作家としては、…

「翼の卵」

日本/'18年公演/劇団桟敷童子(サジキドウジ作、東憲司演出) 九州の実家に転がり込んできた長男夫婦と、そこで暮らす家族の物語。劇団桟敷童子は初見です。 グズグズで崩壊しかけの一家と、義理人情に厚い間借り人の解体業者たち。逃れられない血のつなが…

「踊る!惑星歌謡ショー」

日本/公演中(マチネ)/右脳中島オーボラの本妻(丸蟲御膳末吉作・演出) 太陽系の星々になぞらえた人々の喋って歌っての歌謡ショー。名古屋の劇団による大阪公演です。 病的なまでの無意味な言葉の機銃掃射は、ほとんどの役者が滑舌悪く何を言っているかわ…

「つながせのひび」

日本/公演中(マチネ)/ソノノチ(中谷和代作・演出) 絵本作家を目指す女とそれを見守る男の引っ越し前夜。京都の団体の愛知公演です。 積み重ねてきたなんでもない日常が閉じ込められていく段ボールは、女にとってこれまでを失くしてしまうものだったのかも…

「恋愛戯曲」

日本/'09年公演/吉本興業(鴻上尚史作、茅野イサム演出) 恋愛ドラマの脚本家と担当編集者が名作を書こうとするなかで様々なトラブルに巻き込まれる。過去に何度かバージョン違いで観ています。 鴻上得意の重層構造はこの戯曲では冗長さしか感じられないの…

「真夜中の弥次さん喜多さん」

日本/公演中(多演)/KUDANproject(天野天街作・演出) 本当の「リアル」を探してお伊勢へ参る途中の2人が見た愛と夢の話。しりあがり寿の同名漫画を奇才・天野天街が演劇化し再演を重ねる人気作です。 生と死の狭間で揺らぐ現世は果たして「リアル」なのか。…

「After the Sai Coliseum」

日本/公演終了/右脳中島オーボラの本妻(丸蟲御膳末吉作・演出) 前回公演『輪廻輪唱アラモォド』の劇場オープンスペースでの切り出し上演。 文字が廃れた世界で遊戯に明け暮れる人々。信仰に救いを求め東を目指す彼らだが、神がいないのなら遊んでしまおうと…

「ワナビーエンド」

日本/公演中/ヌトミック(額田大志作・演出) 神楽坂のロイヤルホストの9番テーブルに座る男女の出会いと別れ。音楽と演劇の二刀流の額田大志率いる「ヌトミック」公演、初観劇です。 最近そこかしこで噂をきく赤丸急上昇劇団。まるで音符を並べるかのように…

「花の紅天狗」

日本/'03年公演(再演)/劇団☆新感線(中島かずき作、いのうえひでのり演出) 蕎麦屋の出前持ちが歌劇団に入り、ライバルと切磋琢磨しながら伝説の舞台に臨むミュージカル。2度目の鑑賞です。 美内すずえの漫画「ガラスの仮面」を近刊まで一気に読み通した流…