ある天文学者の恋文
伊/’16年製作/ジュゼッペ・トルナトーレ監督
老齢の学者と恋仲の学生が入念に仕組まれた愛の仕掛けに自分を見つめ直していく。
ユーモアにあふれインテリジェンスな講義が、双方向の不器用な愛によって成り立っているからこそ、どのカットもどの台詞も美しいのだと思います。どのように感想を述べても映画そのものまでチープに感じられてしまうのだけれど、並行宇宙のなかではこの映画と同じ分子配列が組まれる瞬間がきっとあると信じます。
オルガ・キュリレンコとジェレミー・アイアンズ。
SOMEWHERE
米/’10年製作/ソフィア・コッポラ監督
映画スターが空っぽな自分と対峙する。
ホテル暮らしでたくさんの美人と寝て、招聘された海外では室内プールのあるスイートルームを用意され、妻とは別れたけれど可愛い娘がいる。なのに満ち足りない、ということを嫌味なく描けているのが凄い。彼の空虚さをセレブの贅沢な悩みとしてはカテゴライズできない、もっと普遍的な何かがそこにあるような気がするのです。
ポジションに絶妙なスティーヴン・ドーフ。
友だちのうちはどこ?
イラン/’87年製作/アッバス・キアロスタミ監督
友達の宿題を持ち帰ってしまった少年が先生に叱られないように返してあげるべく奔走する。
なんでもないストーリーなのになぜか最後まで飽きずに観てしまったことにまず混乱しています。ひたむきな少年を温かい眼差しで見守るための映画ではないことは流石にわかるのですが、でもじゃあ何なのかと問われると何も答えられなくて。出てくる人たちもリアルなのかアンリアルなのか判断つかず。不思議な感触の残る映画でした。
主役にババク・アハマッドプール、彼はずっとがんばっている。
暗闇が掴んだことのない光
日本/公演終了(マチネ)/LIVE RALLY(植村真作・演出)
感想、後ほど。。。